2020/08/14  2020/08/14

コラム

看護師がつい”ほっこり”してしまったナースコール10選

はじめに

ナースコール、それは患者さんが看護師を呼び出すためのツールです。

ナースコールでの用件は、例えば「トイレに行きたい」「〇〇先生とお話がしたい」「痛みが強くなってきた」など、患者さんによって異なります。

しかし、時々こちらがほっこりするような内容でナースコールを押される患者さんもいらっしゃいます。

今回は、そんなほっこりとしたナースコールエピソードを10個選んで紹介していきます。

ナースコール対応に疲れた人

ほっこりしたナースコール内容が気になる人

最近、癒し不足な人

など、是非読んでみてください。

1 「寂しくて押させていただきました」

夜勤中の朝方5時ごろに、一人の患者さんからナースコールがありました。「トイレに行きたいのかな」なんて思いながら、お部屋に向かうと、患者さんは仰臥位で眠っている様子でした。

私の気配に気付いたようだったので、「どうしましたか?」と尋ねると「起きたら誰も居なかったので、寂しくて押させていただきました。」と話されました。

なんと”寂しいコール”だったのです。「ばあさん、家で元気にしているかの~。ご飯をしっかりと食べているといいんだけど」と一人で自宅にいる奥様を心配されている様子でした。

少し患者さんのそばで話を聞くと、入院する前の二人の生活について話してくれました。

話し終えると「ありがとね、寂しいからまた来てくださいね」と、寂しい気持ちはまだ残っているようでしたが、少し笑顔が見られたのでした。

【ナースから一言】

寂しくなったときは押してください。もしかしたら、緊急対応などがあって訪室するのに遅れることもありますが、お待ちいただけると嬉しいです。

2 「入れ歯が壊れたようだ」

朝食の30分程前に患者さんからナースコールがありました。

ナースコールを取ると「入れ歯が壊れたようだ」と話す患者さん。入れ歯の破損?どうしたんだろうと思いながら訪室すると、入れ歯を口の中に入れて困っている患者さんの姿がありました。

私は、「入れ歯がどう壊れてしまったんですか?」と聞くとモゴモゴモゴと話す患者さん。一旦、口の中の入れ歯を外してもらい、状況を確認することにしました。

しかし、口から出てきた入れ歯を見た瞬間に、総入れ歯を上下逆さまの状態で入れていたことに気付きました。

それを見た私は、「入れ歯自体はどこも壊れていないので安心してください」と伝え、患者さんの口に介助して入れ歯を装着しました。

患者さんは「壊れていなくて良かった。これで美味しく朝ごはんが食べれるのお」と笑顔で話されました。もちろん朝食は全量摂取です。

【ナースから一言】

入れ歯の付け方が上下逆でございます。

3 「お布団がなくなりました」

夜勤中の夜中3時頃のお話です。ナースコールが鳴ったので患者さんの元に向かいました。

カーテンを開けると「お布団がなくなりました。寒い。」と、ベッド上で肌をこすりながら話す患者さん。

ベッド横の床を見ると、なんと布団が丸ごと落ちていたのです。私は布団を持ち上げ、患者さんにかけ直し「これで寒くないでしょうか」と聞くと、「とても、あたたかいです」と返答がありました。

起床時間まで時間があるのでゆっくり休むようにお伝えしました。あたたかい布団に包まれた患者さんは、起床時間までゆっくり休まれました。

【ナースから一言】

床に布団が丸ごと落ちています。

4 「お煎餅食べていいかの〜」

フリー業務を担当していた日の15時頃、自分の担当チームとは別のチームの患者さんからナースコールがありました。

ナースコールを取ると「お煎餅食べていいかの〜」といった内容でした。別チームの患者さんでしたが、たしか血糖測定をしている方だという認識だけはありました。

ナースコールがあった患者さんの担当チームナースに確認すると、DMなのでお煎餅NGです!という結果でした。

私は、その患者さんの元に向かいました。患者さんの床頭台には、美味しそうな”こんがり醤油煎餅”が置いてあったので、お煎餅はどなたかが持って来られたのか確認すると、「さっき面会に来てくれたばあさんが持って来てくれたんじゃ。3時のおやつだから」と話されました。

食べたいお気持ちはわかりますが、DMであることを患者さんに説明しました。患者さんからは「やはり食べちゃダメだったか、一応看護師さんに聞いてみようと思ってのお」と話されました。

患者さんの許可を得て、お煎餅は看護師が預かっておくことにし、後日ご家族の方が来られた際に、持って帰ってもらうようになりました。

寧ろ食べる前にナースコールで教えてくれてありがとうございました。奥様にもしっかりとお伝えしておきますね。

【ナースから一言】

食べる前に聞いてくれてありがとうございます。

5 「今日はずっとお日様が入らんの」

窓側のベッドの患者さんから「今日はずっとお日様が入らんの」といったナースコールがありました。時刻はお昼の12時をまわったところです。そして本日の天気は快晴。

色々と気になりながらも患者さんのお部屋に向かいました。お部屋に着き、患者さんに目を向けると…そこには何とサングラスをかけている患者さんの姿が!

病衣にサングラス姿が面白くてクスっと笑ってしまいました。患者さんは「看護師さん、今日は曇りなのかい?」と話すので、サングラスを外してからもう一度窓を見るように声をかけました。

サングラスを外した患者さんは「おや、よう晴れてる」と本日の天気を確認されていました。

後で話を聞くと、サングラスは昨日お孫さんが面会に来た時に忘れていったものでした。

【ナースから一言】

サングラスをかけています。

6 「今食べているご飯はあなたが作ってくれたの?」

食事の時間は、いつも「美味しいですね」「お魚も柔らかい」など、ニコニコと食べている患者さんがいました。そんな患者さんから、夕食後にナースコールがありました。

そろそろ食べ終わったのかなと思いながら病室に向かうと、私の顔を見た瞬間に「今食べているご飯は、あなたが作ってくれたの?」と質問がありました。

私は、「いいえ、私ではありません。病院の栄養士さんが一生懸命に作ってくれているんですよ」と伝えると、「そうかそうか〜あなただったのか、ありがとうね」と何故か私が感謝されました。

そのお気持ちは、私から栄養科の方にお伝えしておきますね。

【ナースから一言】

食事は栄養士が作っています。

7 「働いているみなさん、おやすみなさい」

病棟の消灯時間は21時と決まっています。とある夜勤中、消灯時間になったので患者さんがベッドにいるか確認をし、「おやすみなさい」と声をかけてから病室の電気を消していきました。その時に、既に休まれている患者さんには声をかけずに退室しました。

そして消灯時間から1時間が経った頃、消灯前から眠っていた患者さんからナースコールがありました。「トイレかな?」と思いながら病室に向かうと、患者さんは仰臥位の姿勢でいました。

「おや?」と思っていると、パチっと目を開けた患者さんが「あ、今晩言い忘れたことがありました。働いているみなさんおやすみなさい」と言ってくれたのです。

この患者さんは、いつも私たちに必ずお休みの挨拶をしてから就寝されます。今晩は、たまたま消灯時間に眠っていて言いそびれてしまったので、目が覚めた今の時間になってしまったと話されました。

【ナースから一言】

いつもご挨拶ありがとうございます。

8 「お腹が空かないのお、何でかの~」

8時に朝食が配膳され、8時半には食べ終わっていた患者さん。朝食はどうだったか聞くと、「今日も美味しかったよ、ありがとう」と話していました。

そんな患者さんから9時半頃ナースコールがありました。病室に向かうと、ご自身でベッドをギャッジアップさせて食事の時間のような体制で待っていました。

そして「お腹が空かないのお、何でだろう」とおっしゃるのです。私は、昼食の時間と勘違いしてしまったのかななんて思いつつ、話を聞いてみました。

話を聞くと、朝食を食べ終わって少し眠ったので、そろそろ昼食の時間だと思い準備を始めたようです。

現在の時刻は9時半であることを伝えると「そうかそうか〜、そうだよね。まだお腹空いてないもんね〜」と安心した表情で話され、ご自身でベッドのギャッジアップを下げてフラットな状態にしてお休みになりました。

【ナースから一言】

昼食の時間になったら、またお声がけします。

9 「押すと人が来るボタンはどこじゃ」

お昼前くらいの時間帯に、一人の患者さんからナースコールがありました。受話器で対応するも何も声が聞こえなかったので、急ぎ足で病室に向かうことに。訪室すると患者さんは何かを探している様子でした。

どうしたのか尋ねると「押すと人が来るボタン(ナースコール)はどこじゃ」と話されました。そう話す患者さんの右手にはしっかりとナースコールが握られています。

「今、右手に持っているのがそうですよ。先ほど押されたので私が来たんです」と伝えると、「ごめんなあ〜ありがたいボタンですよお。これからも大事に握っておくからね」と話し、安心された表情に変わりました。

【ナースから一言】

今、右手に持っているのがナースコールです。

10 「はるばるきたぜ 函館へ〜♪」

ちょうどご家族の面会時間の多い14時頃のこと。個室の患者さんからナースコールがあり、受話器を取ると何やら歌声が聞こえました。

用件が聞こえなかったので患者さんの元に向かうと、「はるばるきたぜ函館へ〜♪」とナースコールをマイク代わりにして、北島三郎の函館の女をカラオケのように熱唱していたのです。

私が少し函館の女の歌を聴いていると、面会に来ていたご家族がお手洗いから戻って来たようで「看護師さん、忙しいのにうちの者がすみません。さっき主人が好きなサブちゃんの曲を聞かせたところで…」と教えてくれました。

音楽は、元気になるからいいな〜と思いながらも、ナースコールをマイク代わりにする発想がすごいなと思って聴いていました。

【ナースから一言】

サブちゃんいいですよね。「まつり」や「与作」も最高です。

おわり

ほっこりとしたナースコールは看護師の癒しの時間でもあります。日々、業務に追われていると次第に笑顔がなくなってしまうので、このようなナースコールのおかげで自然と笑顔になれるものです。

これからも、ほっこりナースコールエピソードがあれば、エピソードを随時追加していきたいと思います。楽しみにして待っていただけると嬉しいです。