転職&新卒看護師必見!面接対策完全ガイド
就職時の面接に苦手意識を持っている看護師は多いです。転職を何回か経験しても、面接となると身構えてしまい、本来の自分を発揮するのは難しいものですよね。
そんな方であっても、面接の流れと受け答えについてシュミレーションをしておけば自信がつくはずです。いつも通りの自分で本番を迎えるために、事前準備は怠りなくやっておきましょう。
この記事では、
・面接の事前準備やマナー
・一般的な看護師の面接の流れ
・看護師の面接でよく聞かれる質問事項&回答例
・転職者から病院側への逆質問例
などをご紹介します。
1 看護師の面接の事前準備・マナー
(1)履歴書等の書類の作成
履歴書等の書類を面接の直前に慌てて書くと、文字が雑になったり、内容が薄くなったり、記載ミスが発生したりと、良いことはありません。期間に余裕を持って、市販の「履歴書」を購入し、必要事項を記入しておきましょう。
市販の履歴書には、大きく「JIS規格」のものと、それ以外の「自由形式」のものがあります。病院側からの指定がなければどちらでも構いませんが、迷った場合は「JIS規格」の履歴書を選ぶのが無難です。
また、「手書き」か「PC入力」かで迷われる方も多いですが、これも病院側からの指定がなければどちらでも構いません。
手書きの場合は、誰もが読める文字で、修正の跡を残さない(書き損じた場合には、安易に修正液等を使うのではなく、書き直す)ことなどを最低限気を付けたいところです。
(2)服装・身だしなみ
・服装
病院側からの指定が無くても、スーツで行くのが無難です。
具体的には、白のブラウス、一般的なカラー(黒・ネイビ・グレー等)のジャケットでコーディネートするのが無難です。派手な柄物や、丈の短いスカート等は避けましょう。
・メイク
ナチュラルメイクで大丈夫です。派手な色のチークやリップ(口紅)、つけまつげ、カラーコンタクトなどは面接には必要ありません。
他方で、完全なノーメイクや、ボサボサの髪の毛などは、病院側に不信感や不安を与えてしまいます。最低限のメイクはしておきましょう。
・髪色、髪型
明るくすぎる髪色は避けましょう。髪が長い場合は、しっかりと束ねましょう。看護師という性質上、”清潔感”が最も重要です。
・アクセサリー
ピアスやブレスレットは面接には必要ありません。シンプルな腕時計等、最低限のアクセサリーにとどめましょう。
・バッグ
バッグ・鞄は、スーツに合わせても不自然でないものであれば大丈夫です。普段スーツを着る機会が無い方は、面接直前になってバッグに困ることが少なくありません。スーツ屋さんに売っているようなバッグを一つ持っておくと便利です。
履歴書等の書類を入れることになるので、A4サイズの書類が入り、内容物が簡単に折れ曲がらないようなつくりのバッグがおすすめです。
・靴
シンプルな黒のパンプスが無難です。ブーツやサンダルはやめましょう。
(3)持ち物の準備
持ち物は、前日までには全て揃っているか確認しておきましょう。特に、履歴書等の書類を忘れてしまうと悲惨です・・・。履歴書は、病院側に提出する原本の他に、手元の控えとしてコピーも用意しておくと良いでしょう。
・履歴書(原本とコピー)
・筆記用具
・メモ帳や手帳
・印鑑
・身分証、看護師免許証
・面接会場の場所や連絡先がわかるもの
・予備のストッキング
・腕時計
・スマホ
・スマホの充電器
・その他、病院側から指定されたもの
これくらい準備しておけば安心ですね!
(4)当日の到着時間
遅刻だけはやめましょう。多少余裕を持って、10分~15分くらい前に面接会場に到着できるようにしたいですね。特に、電車やバスの利用が多い場合には、もしものことを考えて、早めに行動しましょう。
2 一般的な面接の流れ
自己紹介 | 履歴書に沿って紹介すれば問題ありません。 |
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面接官からの質問 | 面接官から志望動機等を聞かれるので、それらの質問に答えます。 |
面接官からの説明 | 面接官が、施設や業務内容等を簡単に説明してくれることがあります。メモ等をとって良いか確認し、メモを取っても良いでしょう。 |
病院側への逆質問 | あなたから面接官に対して質問をする時間です。 |
3 面接官から看護師への質問
ここでは、転職・新卒それぞれ特有の質問内容と、共通してよく聞かれる質問内容について説明していきます。それぞれの質問の意図をしっかりと理解しておくのがポイントです。
(1)転職する看護師への質問
① これまでどんな経験をしてきましたか
質問の意図
履歴書に職務経歴が書かれていますが、再確認したいため。
(良い例)
「病床数500床の総合病院の整形外科病棟で3年間勤務し、その後に同病院の外科病棟に異動し4年間勤務しました。看護師5年目からは、学生指導者として看護学生の指導・育成を行ってきました。」
(ポイント)
経歴を簡潔に分かりやすく表現できていてOK!
(悪い例)
「○年○月に○○看護学校に入学し~、○年○月に○○看護学校を卒業し~、●年●月に●●病院に就職して~、整形病棟で働き始めました。それから~」
(ポイント)
履歴書の内容をダラダラと読み上げるのはNG!就職してからのことで自分がアピールしたい部分を要約して話すのがベスト。
② 委員会や看護研究の経験はありますか
質問の意図
どれくらい経験値があるのかを確認したいため。
(良い例)
「委員会は、記録委員会と教育委員会を担当していたことがあります。看護研究は整形外科で働いていた時に、整形外科病棟におけるKYTの効果についてを発表しました。」
(ポイント)
簡潔に答えられていてOK。看護研究のテーマを発表することで、しっかりと取り組んでいたといった印象につながります。時に面接官から「結果はどうでしたか?」と質問される場合があるので、答えを準備しておくのが良いでしょう。
(悪い例)
「両方ともやったことがあります。」
(ポイント)
聞かれたことに対して答えているのはOKですが、面接官が聞きたいのはその内容です。少し消極的な印象にもなってしまいます。もう少し具体的にアピールするのが良いでしょう。
③ 前院の退職理由
質問の意図
入職後、すぐに辞めてしまわないかどうか確認するため。
(良い例)
「基本的な看護スキルは、前院で7年間働いて身につけることができたと思っています。今後はもっと専門的な知識を身につけて成長していきたいと思い、退職しました。」
(ポイント)
スキルアップや新たな成長への思いを言えれば理想的です。
(悪い例)
「人間関係に疲れ、精神的に参ってしまったので退職しました。」
(ポイント)
前の職場への不満を訴えるのはNG。面接官に「この人は問題解決能力がないのでは?」「同じ理由で辞めるかもしれない」と思われてしまう可能性があります。ポジティブな表現におきかえて答えるように意識しましょう。
④ いつ頃から働けますか
質問の意図
採用側は、採用が決まると受入れに向けて様々な準備をする必要があるので、採用に向けた具体的なスケジュールを確認したいため。
(良い例)
「4月から働けます。」
(ポイント)
実際に働ける時期を伝えればOK。まだ現在の病院を退職されていない方は、退職交渉がスムーズにいかない場合も考えて余裕を持って伝えると、無用なトラブルを避けられます。
(悪い例)
「貴院にお任せします。」
(ポイント)
入職時期は、自分で決めて伝えるのがベスト。相手に決定権を丸投げして委ねるのは、「優柔不断な人」といった印象にも繋がります。
⑤ 患者さんとの思い出で印象深いエピソードはありますか
質問の意図
どういう状況をどのように乗り越え、どう成長したかを知りたいため。
(良い例)
「初めてターミナルの患者さんを受け持たせてもらったときに、何をしてあげたらいいかわからないことがありました。痛みに苦しむ中、痛み止めは限界量を使用しているためもう使えない状況でした。緩和ケアの先輩に相談し、「痛い部分を温めたり、マッサージしたりすると痛みが和らいでいくよ」とアドバイスをもらい、実際に行ってみました。すると、痛みが和らいでいき、薬以外でも痛みを緩和させてあげる方法はあるんだ!ということを学びました。」
(ポイント)
困っている状況や、看護師としてどうしたか、結果として何を学んだかを説明できていてOK。
(悪い例)
「やっぱり患者さんから”ありがとう”と言われたときですね。」
(ポイント)
これだけでは状況が見えてきません。具体的にどのような状況で、どのようにして、どう思ったのかを伝えられると良いでしょう。
(2)新卒の看護師への質問
① 看護観を教えてください
質問の意図
看護師として大事にしていることを把握したいため。
(良い例)
「患者様の訴えを、できるだけ早く解決してあげることです。患者さんの訴えは一人ひとり違いますが、その方にとって早く解決してほしい内容であることは共通して言えます。
出来る限り早く解決をして、不安な気持ちを取り除いてあげたいと日頃から思っています。」
(ポイント)
看護観とは、「自分が何を大切にして看護をしているか」ということ。志望先の看護部の理念・方針をチェックすると、その部署の看護部が何を大切にしているかがわかるので、それを踏まえて考えてみるのも良いと思います。
(悪い例)
考えたことはありません。
(ポイント)
「ない」「わかりません」などの答えだと、やる気がないと受け取られてしまうのでNG。何かしら大事にして働いている部分があると思うので考えてみましょう。
② 他に選考を受けている病院などはありますか
質問の意図
病院側は内定辞退をする人を見越して採用人数を決定するため。また、活動状況を確認するため。
(良い例)
「他に選考を受けている病院はありません。」
「他にも受けているところはありますが、貴院が第一志望です。」
(ポイント)
その病院が第一志望ならその旨を伝えれば、あなたの熱意が伝わります。
(悪い例)
「他にも受けているところはあります。両方魅力的なので受かったらどちらかに決めます。」
(ポイント)
「この病院で働きたい」という気持ちがあまりないと思われてしまいますし、病院側は内定辞退のリスクを感じてしまいます。その病院に入職したいのであれば、しっかりアピールするのが大事です。
③ 看護師になろうとした理由を教えてください
質問の意図
どのような人なのか考え方や人柄、性格を確認したいため。
(良い例)
「私は小学校の時に肺炎で入院をしました。幼い頃の入院はとても不安で、家族の面会が終わると一人で泣いてしまうことが多かったです。担当の看護師は、泣いている私の姿を見つけてすぐに駆けつけてくれるような方でした。治療が長引いた時も、私が安心できるような声かけをしてくれて、いつの日か「私もこんな看護師になりたい」と幼いながらに思うようになり、目指すようになりました。」
(ポイント)
看護師を目指した理由をエピソードを交えて話せていてOK。
(悪い例)
「給料が高いからです。」
「家族に看護師になれと言われたからです。」
(ポイント)
実際にそのような理由で看護師を目指している人もいますが、面接という場ではふさわしい答えではありません。
どんな小さなことでも良いので、それをきっかけに看護師になろうと思った、などというエピソードを探して答えるのが良いでしょう。
④ 実習で思い出に残っているエピソード
質問の意図
実習でどんなことを学び、どのような姿勢で取り組んでいたのかを聞き、人柄を知りたいため。
(良い例)
「認知症の患者さんを受け持たせていただいた時に、話しかけても別の話をされたり、無表情でコミュニケーションの難しさを痛感しました。しかし、その時に私が言葉だけでコミュニケーションをとろうとしていたのが良くなかったと思いました。そう思ってからは、患者さんの表情やしぐさなどから相手が伝えたいことを考えるようになり、気持ちを汲み取ることができるようになりました。この患者さんと関わりを持てたことで、コミュニケーションは言葉だけがすべてではないことを学ぶことができました。」
(ポイント)
その時の状況や、看護師としてどうしたか、結果として何を学んだかを説明できていてOK。
(悪い例)
「実習指導者さんに褒められた時。」
「ミスなく実習を終えられた時。」
(ポイント)
これでは自分だけのエピソードになってしまうので、患者さんとのエピソードを踏まえて学んだことを話すのが良いと思います。
⑤ 何科を希望されますか
質問の意図
採用側は、できれば学生の希望の科に所属させたいと思っているため。
(良い例)
「整形外科を希望いたします。学生の時から整形外科に興味を持っていてるので学びを深めていきたいです。」
(ポイント)
希望の科と理由を挙げて、自分の考えを述べると良いでしょう。
(悪い例)
「絶対に整形外科がいいです。」
(ポイント)
少し我儘に感じられてしまう可能性があります。強い希望があっても「絶対」ではなく「できれば…」という姿勢で答えましょう。
(3)転職・新卒 共通の質問
① 志望理由を教えてください
質問の意図
やる気や熱意を確認するため。
(良い例)
「以前から緩和ケアに興味がありました。貴院を見学させていただいたときに、緩和ケア認定看護師とお話をさせていただく機会がありました。認定看護師になるために病院側もフォローしてくれると伺ったので、私も貴院で働きながら緩和ケアの認定看護師を目指したいと思い、応募いたしました。」
(ポイント)
応募先の病院のことを理解した上で、自分の希望とマッチングしていることを具体的に表現していてOK。
(悪い例)
「自宅から近かったからです。」
「夜勤がないからです。」
(ポイント)
自分にとってのメリットだけを伝える内容は要注意です。「仕事内容には何の興味もなく、条件しか考えていない人なのか…」と思われてしまう可能性があります。
② 当院で何がしたいですか
質問の意図
当院の方針とあなたの希望がマッチしているか確認したいため。
(良い例)
「終末期医療に携わった経験を生かし、最期をより快適に過ごせるよう支援し、患者様や家族の気持ちに寄り添った看護をしたいと考えています。」
(ポイント)
具体的な目的を持っているのが伝わって良い。
(悪い例)
「今のところないですが、頑張ります。」
(ポイント)
「わかりません」などの回答は、何でうちに面接を受けに来たのか?と疑問に思わせてしまいます。「自分がどんな業務をしたいのか」を事前にまとめておくと良いでしょう。
③ 自分の長所と短所
質問意図
自分を客観評価できる能力があるのか、また、あなたが病院に合った人材かを見極めるため。
(良い例)
「長所はポジティブなところで、短所はのん気なところです。のん気な部分もありますが、何か揉め事などが起きた場合は仲介に入って、場の雰囲気を和らげる事ができます。」
(ポイント)
短所でもあるが長所にもなり得ることを伝えられているので良い。
(悪い例)
「長所はポジティブなところで、短所はのん気なところです。」
(ポイント)
短所を答えるときは、短所を答えて終わりにしてしまうと自分の評価が下がるだけで、面接官も不安になります。重要なのは、その短所が長所にもなりうることをアピールすることです。
④ 趣味はありますか
質問の意図
物事への興味の持ち方や、危険な思考を持っていないかなどの人間性を見るため。
(良い例)
「私の趣味は水泳で、小学校から続けています。休みの日は市民プールに行くことが多く、嫌なことがあっても泳いでいるとスッキリするので続けています。」
(ポイント)
昔から続けている趣味があるというは、物事を長く続けられる人といった印象を与えられます。また、仕事で溜まったストレスも発散できる方法があると思われるので高評価です。
(悪い例)
「これといって趣味は特にないです。」
(ポイント)
趣味がないと答えると、仕事でのストレス発散がうまくできないのではないかと不安に思ってしまいます。何かしら答えられる趣味は見つけておくのが良さそう。
4 転職者から病院側への逆質問を準備しておく
転職者・新卒者にかかわらず、面接の最後に「何か聞きたいことはありますか?」と聞かれる場合があります。逆質問は、自分が気になっている情報を得たり、自己アピールをする絶好のチャンスです。前もって質問を考えておきましょう。
病院側が逆質問を行う目的
自分の病院や施設にどれくらい関心があるのかを知りたい。
(1)病棟の雰囲気
・病棟で働くスタッフの年代について
「どのくらいの年代の看護師が働いていますか?」、「みなさんの経験年数はどれくらいですか?」など。
(2)内部事情
・仮眠時間の有無について
「仮眠時間はありますか?」だとストレートな聞き方になるので、「夜勤スタッフはどのくらいの時間、仮眠されていますか?」と聞くのが良いでしょう。求人情報に仮眠時間120分と記載されていても、実際仮眠なんてない病棟もあるので確認することは大事です。
・月の夜勤回数について
「夜勤は、みなさん大体何回くらい入られていますか?」など。求人情報に記載されていた情報と相違はないか確認することは大事です。
(3)指導面について
・プリセプターについて
「プリセプターはつきますか?」など。中途採用の時は、プリセプターがついてくれるかなど聞いておくと安心できると思います。
・研修について
「入職後に研修などの参加はありますか?」など。中途採用の時は、研修に参加したほうがいいのか確認しておくのも良いでしょう。
(4)意欲アピール
・勉強について
「入職までに勉強しておくことなどありますか。」など。
求人情報を理解しつつ、より詳しい内容を聞くのは、意欲が感じられるので好印象になります。さらに、求人情報で気になったことを質問して、就職してから「事実とは違った・・・」というようなことがないようにするのも重要です。
5 さいごに
面接までにしっかりと求人情報を頭に入れて、質問する内容を考えておけば、面接の時に緊張せずに発言することができます。
何事も準備が大切です。自宅で何回もシュミレーションを行い、本番に挑むようにしましょう!