2019/08/23  2019/10/15

体験談

ナースが語る!病院での心霊現象(夜勤前閲覧禁)

私たちナースが夜勤をしていると、時々ドキッとするようなことが起こります。悲鳴をあげたい気持ちもありますが、患者さんは眠っているので叫び声を我慢することも(本当は怖いから思いっきり叫びたい…!)

この記事では、私が実際に体験したり、ナース仲間に聞いた”ちょっと怖い話”をご紹介します。

1 患者さんから「誰と一緒に来たの?」と言われる

深夜0時に、術後のドレーン量測定のために、手袋とエプロンを装着して患者さんの元へ向かいました。

患者さんの顔を見ると眠っている様子だったので、音を立てないようにドレーン量を測定し始めました。

無事に測定が終わり、ベッドを離れようとする時に患者さんからグッと手を掴まれました。そして、「あなたは今日誰と一緒に来たの?」と、私ではなく、私の横を見ながら話しかけてくるのです。ゾッと鳥肌が立ち、少しフリーズしました。

怖かったので、周りはなるべく見ないようにして素早く退室して、汚物室で排液を処理したあと、駆け足でステーションに…。とにかく早く夜勤スタッフと話したかったのですが、巡視の時間もあってか、ステーションには誰もいませんでした。

数分後にステーションに戻ってきたスタッフに「患者さんに私の横に誰かいると言われました・・・」と話すと、「一回清めたほうが良いのでは?」という話になり、塩がなかったので、後輩が清めるためのお経を唱えてくれました。

何だか清まった気がする、ありがとう、後輩!

しかしあの時、私のそばにいた人は誰だったのでしょうか。守護霊だったら、お経で消さないで欲しかったなあ。

2 誰もいない部屋からナースコールが鳴る

夜勤経験のあるナースであれば、多くの人が経験してい流のではないでしょうか。

ある日、夜勤メンバーとステーションで仕事をしている時に、一つのナースコールが鳴りました。

ペアの夜勤さんが「この部屋、誰もいないですよね?」と話し、私もナースコールが鳴っている部屋を見ました。その部屋は今日転院していった人の部屋なので、確かに誰もいません。

こ、こ、怖い…!

しかし、入院患者さんがいなくても安全確認のため部屋に行かなくてはなりません。これも仕事です。

もちろん、私のチームの部屋なので自分が行かなくてはなりませんが、怖いのでもう一人誘って確認することにしました。二人とも相当ビビっていたのか、お互いのナース服を掴みながらナースコールが鳴った部屋に向かいまいた。

そこは個室で、ドアを開けて室内を確認しましたが、やはり誰もいません。二人そろって「なんだ〜ビックリしたね。」と言ってナースコールに目を向けると、なんと、ナースコール本体がありません…。ナースコール自体外されているのです。

その光景を見て全身に変な汗をかき、駆け足でステーションに戻りました。ステーションにいたもう一人のスタッフが、私たちの強張った顔を見て悲鳴をあげ、それに対してまた私たちが驚き、パニック状態に。

オバケさん、お願いです。いたずらにも限度がありますからね。今後はよろしく頼みます。

3 お線香のにおいがすると、患者さんが亡くなる

3交代の深夜勤務だった私は、始業15分前に更衣室で着替えを終えました。

更衣室を出る時に「先輩、今日も夜勤一緒ですね。よろしくお願いします。」と夜勤ペアの後輩が話しかけてくれました。私はよろしくね〜と挨拶をして、一緒にエレベーターに乗って病棟に向かいました。

自分の病棟の階でエレベーターが開いた瞬間に、お線香のにおいがしました。二人して「何でお線香?」と疑問に思いながらも、始業時間に近いため話をする時間もなくそのまま勤務に入りました。

引き継ぎの時は(今日は落ち着いていてラッキー)なんて思っていましたが、1時間程経過した頃に、突然心電図モニターアラームが大きな音で鳴りました。

目をやると何と ”VF”!!!

夜勤メンバー全員で患者さんの元に全力で向かいました。
状態が安定していた患者さんだったので、何がどうして不整脈になったのかがみんなわからず、とにかくAED開始。

その間に当直医、当直師長に連絡をして処置対応を続けました。ご家族にも連絡も入れ、精一杯すべきことはしましたが残念なことにお亡くなりになられました。

日勤で出勤してきたスタッフも「○○さん、お亡くなりになられたんですか…」と突然のことに驚いている様子でした。

そんな中、ナース歴30年のベテラン先輩が「亡くなる前にお線香のにおいしなかった?」と話し、私は「エレベーターが病棟の階について開いた瞬間に、お線香のにおいがしました。」と答えると、「お線香のにおいがしたら、その日のうちにステルベンがあるのよ。昔からそうなのよ。」と教えてくれました。

4 浴室の水が急に出る

深夜2時頃。ステーションで指示の確認をしていると、微かに水が流れる音が聞こえてきました。音の聞こえる方に進んでみると、浴室から「ジャー…。ジャー…。」と水の出る音がするのです。

浴室は日中しか使用しないため、日中使用した最後のスタッフが点検をして安全のために浴室の鍵を施錠することになっています。もちろん確認をしましたが、浴室の鍵は閉まっています。

昼間であれば一人で鍵を開けて浴室内を確認するのですが、真夜中の浴室はホラーです。一人だと心臓が飛び出そうなので、Sキャラ先輩に助けを求めることにしました。

先輩は「私がホラー系苦手なの知っているでしょ?PHS持っているから何かあったらすぐ連絡して。」と言われました。

そ、そ、そんな〜!
もう一人の先輩は仮眠中で、起こすことも出来ないし…。

私は、ホラー映画どころか、世にも奇妙な物語でも一人で見るのが怖いレベルなので、一人で浴室を確認するのは無理だと思い、しつこく先輩に一緒に来てもらうようにお願いをして、再度浴室に向かいました。

浴室からは「ジャー」と水が2秒間ほど出る音が聞こえました。水の出る音以外は何にも聞こえません。

覚悟を決めて鍵を開けなければと思い、心臓をバクバクさせながら浴室の鍵を開けました。横にいる先輩を見ると、「はよ行け」と言うような目をしていました。こんな状況でもSキャラ。

浴室の電気をつけ、恐怖心から声を出した方が怖さは半減すると思い、誰もいないと信じつつも「どなたかいらっしゃいますか?」と言いながら浴室のドアを開けました。

浴室内には誰もおらず、水が出ていたと思われる蛇口下のタイルが濡れていることを確認しました。蛇口が緩いのかもしれないと思い、蛇口を閉めようとしましたがこれ以上回らないくらいに固く閉まっています。何もなかったことに安堵した瞬間、隣の蛇口から水がジャーっと出てきました。

驚いて「うわあ!」と声が出てしまって、先輩の方に駆け寄ると、そこにいるはずの先輩がいません。どこに行ったのだろうと思いながらも、先程水が流れた蛇口をしっかりと締め、浴室の鍵を締めてからステーションに戻りました。意外と冷静だった自分。

なんと先輩は、ステーション奥の休憩室で雪塩ちんすこうを食べていました。「あなたも食べない。塩には邪気を払い魔を退ける効果があるから。」と真剣な顔で言いながら雪塩ちんすこうを私にくれました。

そのあと、無言で一人2つ食べました。

沖縄旅行で雪塩ちんすこうを買ってきてくれたスタッフさん、ありがとうございました。

5 部屋の入口に真っ黒い服を着た人が立っている

夜勤中は、巡視を1時間に1回行うことになっています。

いつも通りライトを照らしながら巡視をして、個室の見回りをしていた時のこと。個室のドアを開けて患者さんの様子を確認すると、いつもこの時間は眠っている患者さんが個室入り口の方向を向き目を開けていました。

私が患者さんのそばに近寄り、「足音で起こしてしまいましたか?」と尋ねると、「いや違う。入り口の所に1時間前から真っ黒い服を着た男が立っているんだよ。動かずにこっちを見ていてさ。あの世に連れて行かれるのかなと思って。」と悲しい表情をしながら話し始めました…。

私は背筋がゾッとして、入り口の方向を確認しようと思ったのですが、何だか怖くて振り向くことが出来ません。

患者さんは「今日で最期か。どうぞ私は逃げも隠れもしませんので、連れて行ってください。」と入り口に向かって会話をしていました。その姿を見て、私も恐怖を感じてしまい、動くことも出来ませんでした。

そんな中、本日の夜勤ペアには、男の先輩がいることを思い出し、持っていたPHSで男の先輩が持っているPHS番号に連絡して、個室に来てもらうことにしました。

男の先輩が到着した途端、恐怖感がなくなり、患者さんにも「大丈夫ですよ、安心して寝てくださいね。」と落ち着くような声かけをしていました。

その後、ステーションに戻って先輩に「来てくださってありがとうございました。」と伝えると、先輩は「あの部屋は何かいるね。空気が重かった…。もしかしたら、昨日隣の個室で亡くなった方かもね…」と言い、少し重い雰囲気で業務に戻りました。

6 自分のいる階にエレベーターが止まらない

私が勤めている病院にはエレベーターが計4台あります。よく使うエレベーターはそのうち2台になります。

3交代の準夜の仕事が終わり、先輩と更衣室に行くためにエレベーターに乗ろうとしました。私たちの病棟は8階で更衣室は地下1階にあるので下向きのボタンを押して待っていました。

階数表示を見ながら「10階にいるエレベーターがもうすぐ来そうですね。」なんて話しながら待っていましたが、何故か私たちのいる8階を通過して7階、6階へと降りていってしまいました。

私たちは「あれ、おかしいですね。でも隣のエレベーターが来そうなのでそっちに乗りましょう。」と話し、隣のエレベーター前で待っていました。しかし、またもや8階は通過…。

ボタンの不具合が起きているのかなと二人で話しているところに、背後から深夜のスタッフが来て「幽霊が悪さしているんだよ。」と呟きました。

何だか恐ろしくなって、先輩と階段を使用して更衣室まで行きました。

冷静に考えると、幽霊の悪さにしては地味だなあ。

7 仮眠中に金縛り

前に勤めていた病院は、休憩室はありましたが、仮眠室は設置されていませんでした。そのため、空いている個室を仮眠室代わりとして使用していました。

今日も自分の仮眠時間が回ってきたので、個室に向かうことに。今日の個室は803号室。私はこの803号室では何故か金縛りにあうことが何回かあって、あまり仮眠室として使いたくありませんでした。

しかし、この時すでに睡魔に襲われていたので、渋々803号室へ向かいました。
白衣のポケットの物を全部出して、寝る体制を整えてベッドに横になりました。

そして眠りについたと思う数分後に、案の定金縛りにあいました。とにかく強く両腕を押さえつけられ、身動きが取れません。ま、またか…と頭の中で思っていますが、どうにもこうにも力が入りません。

何度も何度も起き上がろうとしますが、鎖に繋がれているかのように身体が重たくて、起きることはできません。結局、起床アラームが鳴り目を覚ましましたが、身体が重くて仮眠を取る前よりも疲れ切っていました。

こんな状況になるのは私だけなのかと疑問に思って、他のスタッフにも聞くと「私も803号室で仮眠した時は、金縛りにあいます。」という人が複数人いました。

ベテランの先輩が、「30年も前だけど、あの部屋で若い患者さんが突然亡くなって、大変な騒ぎになったことがあったのよ。」と教えてくれました。

私はその事と金縛りが何かしら関係があると思って、その話を聞いて以降は803号室での仮眠は辞めました。どうしても803号室以外の個室が空いていない時は、休憩室の椅子を連ねて身体を休めていました。

椅子がかたくて全然眠れませんが、あの部屋に行くよりはマシです。

というか、病院長!スタッフが身体も心も休めるように、早くちゃんとした仮眠室を作ってくださいませ。

8 誰もいない部屋のテレビがつく

私が深夜勤務をしていた深夜3時ごろに、2人部屋の患者さんからナースコールがありました。

急いで病室に向かうと「向かいの患者さんが夜中もテレビ見ていてうるさいの。見てもいいけどイヤホン付けるように言ってくれる?」といった用件でした。

しかし、その患者さんの向かいのベッドは空きベッドで誰もいません。そしてテレビ画面は真っ暗で電源はもちろん切れています。

特に異常がなかったのでステーションに戻ると、また同じ患者さんからのナースコールがありました。再度訪室すると「テレビのこと言ってくれた?まだ消えてないわよ。」といった話でした。

私は「向かいのベッドには誰もいなくて、テレビも消えています。」とお伝えしましたが、「そんなことはない。」の一点張り。

私は不思議に思い、数分その部屋にいると確かに誰もいないベッドのテレビが突然ついて画面が明るくなり「ザーッ」と音が鳴ったのです。

とりあえずテレビのコンセントを抜いて、患者さんには「大丈夫ですよ、もうテレビは付きませんからね」と話し、ステーションに急いで戻りました。

ステーションにいるスタッフに「今日の夜に、テレビ配線工事するって話ありましたっけ?」と確認をしました。スタッフは「夜中にやるわけないでしょう」と笑いながら話していましたが、今までの状況を説明すると、笑いは無くなりました。

その後の勤務は、パニックになっていたのか、PHSを右手と左手に1台ずつ持って巡視していました。これは、幽霊のいたずらだったのでしょうか。

9 充電中のPHSが鳴る

基本、勤務中はPHSを持って仕事をするようになっています。夜勤も同じです。

夜勤中は、夜勤スタッフが持っているPHS以外は、充電をしておく決まりになっていました。翌日、「充電がない!」なんてことがないようにするためです。

深夜3時の巡視が終わり、ステーションに戻り記録をしていると、充電中の1台のPHSが鳴り始めました。

「ナースコールも鳴っていないのに何で鳴っているのだろう」と思い、そのPHSを確認をすると、チームAリーダーからの着信でした。チームAリーダーのPHSを持っているのは誰か?と思い、ハッとしました。チームAのリーダーは私です。

同じ夜勤スタッフからは「自分で鳴らしちゃったの~?早く消しなね。」なんて言われ、自分のPHSを確認すると、何も表示されていません。充電しているPHSにコールをした履歴もありません。

夜勤メンバー一同顔を見合わせ、「気のせい、気のせい♪」とテンションで乗り越えようとしましたが、奇妙な事柄に驚きを隠せませんでした。

その後、私は同じようなことはありませんでしたが、他のメンバーが夜勤中にも同様のことが起こったそうです。

まとめ

夜勤中の病院で、心霊現象を体験された方は多いのではないでしょうか。

私は霊感がなく、あまり夜の心霊現象にストレスが溜まることはないのですが、時々奇妙な出来事に遭遇すると、やはり恐怖を感じます。

しかし、夜勤をやる上ではそんなことは気にしてはいられません。心霊現象があったとしても、患者さんに何かあったのでは遅いので、すぐにその場に確認しに行かなくてはなりません。たとえ、富士急ハイランドの超・戦慄迷宮のような病院であってもです。

「怖い」「何か空気が嫌な感じかも!」と思った時は、一人で確認するのはストレスがかかるので、夜勤メンバーに事情を話して一緒に行ってもらうようにしましょう。

中堅の私でも、怖いものは怖いので、先輩後輩関係なく、一緒について来てもらったりしています。

なお、あまりに多忙な夜勤であれば、「忙しすぎて幽霊に構っていられない」という新境地に達することもあります。

オバケさん、私たちは一生懸命に働いていますので脅かすのは程々にしてくれると助かります。お互いに仲良くして、夜を過ごしていきましょう。