看護師のスキルアップに役立つ資格一覧
看護師として数年働いていると、「もっと知識や技術を身につけたいな」とスキルアップについて考え始めるようになります。
認定看護師や専門看護師は、憧れるけどハードルが高い・・・と考えている看護師も少なくありません。
この記事では、看護師が取れる資格についてまとめて紹介していきます。是非スキルアップの参考にしてください。
1 難易度は高いが持っておくと役立つ資格
認定看護師
ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有するものとして、日本看護協会の認定を受けた看護師のことをいいます。
2019年8月現在、特定されている分野は21分野になります。
専門看護師
水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できると日本看護協会より認められた看護師のことをいいます。
2016年12月現在、特定されている分野は13分野になります。
2 分野別、スキルアップにおすすめの資格
救急看護
・医療環境管理士
安全かつ衛生的な医療環境のインフラを構築・管理をし、医療環境整備のシステム作りから、医療廃棄物取扱い、微生物学、サニタリーデザイン・設備及び空調、ペストコントロール、清掃技術、感染予防対策などの専門知識・技術等を習得し環境のインフラを構築・管理をします。
・学会認定自己血輸血看護師
自己血輸血のみならず臨床(ベッドサイド)の 輸血においても各施設において指導していきます。
・学会認定臨床輸血看護師
輸血に関する正しい知識と的確な輸血看護により、輸血の安全性の向上に貢献していきます。
手術室
・周術期管理チーム看護師
より安全な周術期医療の提供をしていきます。周術期医療を志す者が最初に目指す認定資格という位置づけになっています。
・手術看護実践指導看護師
手術看護の質を実践力の向上をしていきます。2014年から始まったばかりの比較的新しい資格になります。
呼吸器
・呼吸ケア指導医
呼吸障害をもつ人々の継続的ケアをチーム医療の中で実践するべく、呼吸ケアに関する最新の基礎的知識と臨床的技術を取得して、地域において指導的な役割を担っていきます。
・3学会合同呼吸療法認定士
呼吸理学療法や吸入療法、酸素療法などの呼吸療法の的確な実施と、その機器の管理をしていきます。「特定非営利活動法人日本胸部外科学会」「一般社団法人日本呼吸器学会」「公益社団法人日本麻酔科学会」が合同で創設した認定資格です。
・禁煙支援士
禁煙に携わる皆さんに、 質の高い禁煙支援を実施していきます。2008年から始まった認定資格です。
循環器
・循環器専門ナース
循環器についての看護技術と専門知識を活かして、質の高い看護を提供していきます。
・人工心臓管理技術認定士
心臓移植まで患者の生活の質を向上させ、自分らしい生活が送れるように専門的なサポート、また、サポートだけでなく医療関係者同士で最新情報の共有や、新人に対して補助人工心臓に関する教育を行っていきます。2009年から始められたもので、比較的新しい資格となっており、資格保有者の数も少ないです。
・心臓リハビリテーション指導士
包括的心臓リハビリを通じて循環器疾患の治療ならびに再発予防とQOL向上に貢献していきます。
・血管診療師(CVT)
動脈硬化やエコノミークラス症候群などの血管疾患の治療に関して豊富な知識と高度な技術を提供していきます。
消化器
・日本摂食炎嚥下リハビリテーション学会認定士
摂食嚥下訓練を実施すると共に、その経過や結果を指示した方へ報告する能力、リスクを回避するための知識・技能などを提供します。
・消化器内視鏡技師
消化器内視鏡業務に関わる前処置、洗浄・消毒、機器管理、検査・治療の介助などをします。
・栄養サポートチーム専門療法士(NST専門療法士)
低栄養状態の入院患者さんを対象に、多職種の医療スタッフが協力して、最良の栄養管理を行い、疾病の治癒や合併症の予防を目指します。
整形外科
・弾性ストッキングコンダクター
弾性着衣の種類やサイズの選択、着用指導、着用後の不満や問題点のなどの相談を引き受け、正しい着用を継続できるよう指導をしていきます。
・回復期リハビリテーション看護師
回復期リハビリテーション病棟の看護師に対して ①「回復期リハサービスの対象者およびその家族に対する質の高い看護の提供」 ②「回復期リハ病棟における個人、集団、組織に対するリスクマネジメント」 ③回復期リハサービスにおける多職種との協働とチームアプローチの実践」などの活動を行ないます。
・骨粗鬆症マネージャー
より一層充実した骨粗鬆症の予防、診断と治療とを提供し、超高齢社会における健康格差の縮小と健康寿命の延伸に貢献していきます。
・登録リウマチケア看護師
リウマ チケアチームのメンバーとしての倫理観を有し、必 要とされる知識や技術を提供していきます。
・日本運動器看護学会認定運動器看護師(JSMNC)
運動器の障害に関する専門知識に基づいて的確にアセスメントし、専門的な技術に基づいた看護の実践や教育・指導をしていきます。
小児科
・社会福祉士
身体的・精神的・経済的なハンディキャップのある人から相談を受け、日常生活がスムーズに営めるように支援を行ったり、困っていることを解決できるように支えたりします。
・思春期保険相談士
成長期で心も体も不安定な思春期の子どもたちに専門的な知識や経験を活かし、子どもたちの相談にのったり、アドバイスをしたり、悩みを抱えている思春期の子どもたちをサポートをします。
・医療環境管理士
感染予防のための体制作りや職員へ向けての教育活動、また、多職種を交えた病院全体で講師として研修活動を行っていきます。
・新生児蘇生(NCPR)インストラクター
新生児の蘇生に関する技術や理論などを講習会で指導していきます。
・PALSプロバイダー
小児の心停止を未然に防ぐ介入から、重症の疾患や外傷のある小児に対する治療の質の向上と予後の改善など、小児急変対応を学ぶ研修プログラムです。 体系化された評価手順とアルゴリズムを用いてできるだけ簡便な方法で小児に迫った緊急度を判断し、小児科専門医に引き継ぐまでの安定化を行う方法を学ぶことができます。
産科・婦人科
・体外受精コーディネーター
不妊治療において、特に体外受精や顕微授精などの高度生殖医療(ART;Assistted Reproductive technology)を受けられる人々に対して、ARTに関する適切な情報提供活動を行い、カップルが最適の不妊治療を選択することができるよう不妊カウンセリング・ケアの実践や研究活動を行います。
・不妊カウンセラー
不妊で悩んでいる人々に対して、妊娠・出産や不妊に関する適切な情報提供活動を行い、カップルが最適の不妊治療を選択することができるよう不妊カウンセリング・ケアの実践や研究活動を行います。
・マタニティビクス認定インストラクター
妊婦の安全と安心を最優先に考えながら、エアロビクス運動・マタニティスロートレーニング・ストレッチ・エクササイズ・リラクゼーションの5つのメソッドでマタニティビクスを行う指導をしていきます。
緩和ケア
・日本アロマセラピー学会認定看護師
患者さんの状態や気分に合わせて精油を選び、アロマを使って患者さんの苦痛を和らげていきます。
・リフレクソロジー
足の裏を刺激して、身体のあらゆる部位の疲労回復を図ったり、不調を改善したりします。
・フットケア
足のトラブルの状態を見極め、固くなった角質の除去、巻き爪の治療など適切なケアを施し、足を健康できれいな状態にします。
・医療リンパドレナージセラピスト
がん術後などに起きやすい後遺症の「リンパ浮腫」という疾患に対し、医師の診断および指示に基づきながら、患者さんやご家族へ指導・治療をしていきます。
・経絡リンパマッサージ・セルフケアアドバイザー
経路リンパマッサージの知識と手技を用いたセルフケアを、身の回りの人にアドバイスをします。
・リンパ浮腫療法士(LT)
複合的リンパ浮腫療法(スキンケア・用手的リンパ誘導マッサージ・圧迫療法・圧迫下の運動療法)の指導・実施、弾性ストッキングの指導・日常的なセルフケアの指導をしていきます。
・音楽療法士
活動における音楽の持つ力と人とのかかわりを用いて、クライアントを多方面に支援していきます。
・グリーフケア・アドバイザー
人の死に直面して精神的不安を抱えた遺族に寄り添い、その悲しみやショックを癒やしていくお手伝いをします。
・笑い療法士
笑いをもって自己治癒力を高めたり、または笑いをもって病気の予防をサポートしていきます。
精神科
・臨床心理士
臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の”こころ”の問題にアプローチしていきます。
・公認心理師
国民の心の健康問題にたいして、他の関係者とも連携しながら心理に関する支援を行っていきます。心理職唯一の国家資格になります。
・認知症ケア専門士
認知症ケア技術の向上ならびに保健・福祉に貢献していきます。
・メンタルケア心理士
ストレス社会において、精神の健康や、その健康を維持し、心の負担を未然に防ぐことを目的に、カウンセリングという相談援助をしていきます。
訪問看護
・介護予防指導士
多くの方が豊かな老後を過ごせるように、要介護者ばかりでなく、元気な方をも対象として介護予防を指導していきます。
・ケアマネージャー
「要介護者等からの相談に応じ、要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービスを利用できるよう市区町村、サービス事業者等との連絡調整等を行います。
・健康予防管理専門士
健康の保持と増進を進める具体的な方法など、健康予防管理・指導の専門知識や専門技術を身につけ、その推進及び普及を役割と し、企業や団体において、社員・職員や家族に対し指導やカウンセリングを行ないます。
・整容介護コーディネーター
福祉・医療現場で高齢者・障害者の美容ニーズに対応できる、整容介護の専門知識・技術を身につけ、高齢者・障害者の生きがいづくりと精神的なケアの確立のために活動を行ないます。
・福祉住環境コーディネーター
高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案していきます。
・福祉用具プランナー
高齢者や障害者が福祉用具を使用する際に、その者に対して適切な福祉用具の選択や使用方法を指導していきます。
外来
・クレーム対応スペシャリスト
クレームに悩む方々に正しい対処法などをアドバイスしていきます。
共通して役立つ資格
・BLSプロバイダー
一次救命処置(すべての年齢に対する胸骨圧迫+人工呼吸、AED、気道異物による窒息の解除法)を身につけることができます。
・ACLSプロバイダー
成人へのBLSおよびAEDの要素に加え、薬剤投与や、高度な気道管理、高度な電気治療(マニュアル除細動器、経皮ペーシング、同期電気ショック)、心拍再開後ケア、徐脈・頻拍の管理など、主に病院内での心停止治療を学ぶことができます。
・日本褥瘡学会認定士
褥瘡の治療、管理、予防の専門的知識を身につけることができます。
・おむつフィッター
排泄の困りごとに対して、おむつを含む排泄用具はもとより、医療や住環境、食事など幅広い視点からアドバイスできます。
・転倒予防指導士
転倒に関係する疾患や認知症者の転倒予防、病院、福祉施設および地域社会での転倒予防方法について知識や情報を提供します。
・排尿機能検査士
排尿検査の知識と技術を身につけ、泌尿器科医とともに質の高い医療を提供していきます。
・手話通訳士
聴覚障害者が健常者と円滑なコミュニケーションが図れるよう、サポートをしていきます。
その他(研修)
・特定行為研修制度
資格が発行されるわけではありませんが、研修を終了させ、高度な知識や判断力があると評価されると、医師の判断を待たずに診療補助を行うことができます。
研修を修了した看護師には、患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をすることなどが期待されています。
詳細は日本看護協会の 「特定行為研修制度」をご覧ください。
気になる資格はありましたでしょうか。自分の興味がある資格があれば、まずはそちらから取得するのも良いと思います。
資格は持っておくと、後々自分のことを助けてくれるものです。