ナースなら一度はやってしまったことがある?!退院時の○○忘れ
退院時は、患者さんの忘れ物がないように、ナースが念入りに確認をします。
しかし、私たちナースも人間です。「お大事にしてくださいね」と退院する患者さんを見送って、数分後に「しまった、忘れちゃったー!」なんてことが時々起こります。
気づいた段階で、患者さんがまだ病院内にいないか探したりすることも。
そんな退院時の忘れあるあるを紹介していきます。
1 リストバンドの外し忘れ
患者さんが入院になったと同時に、患者さん誤認防止策として、患者さんの手首または足首にバンドを装着します。
リストバンドには、患者さん自身のバーコードが記入されており、検査や点滴時、バーコードリーダーを照合する際に必要です。
そんな重要なリストバンドですが、退院後には使用しないので、病棟で外してから退院することになります。
しかし、退院患者さんを受け持ったナースが「お大事に〜」とリストバンドを確認しないまま帰してしまうことがあります。
ナースがステーションに戻ってきて、「よし退院1名終わった〜!」とホッとすると同時に「リストバンド外すのを忘れちゃった!」と気付くのです。
2 点滴針の抜き忘れ
入院時に点滴をする必要がある人は、点滴ルートを取ります。
その点滴ルートは、点滴終了の指示が出たら抜針しますが、時々抜針を忘れてしまうことがあるのです。
退院時に針が抜かれていないことに気付けば良いのですが、長袖を着ている時などに、点滴ルートに気付かずにそのまま退院させてしまうことがあったりします。
患者さんが「この針は入れたままですか?」と聞いてくれた時に、ハッと気付くこともあります。
私はこれまで十数年勤務していますが、一度だけ自宅に戻った患者様から「そういえば針が入ったままでしたが、どうしたらいいですか?」と連絡があったことがありました。
その時は、大変申し訳なかったですが、翌日に外来に来ていただいて抜針しました。
3 冷蔵庫内の薬渡し忘れ
坐薬、水液、インスリンなど冷蔵庫管理をしなくてはならない薬類はいくつかあります。入院中に自己管理出来ない方は、ステーション内の冷蔵庫でお預かりさせてもらいナースで管理することになります。
そして、退院の時には、全ての薬を持って帰るため冷蔵庫に保管していた薬もお渡しします。
しかし、退院時に冷蔵庫内を確認するのが抜けてしまい、渡すのを忘れてしまうことがあるのです。
後日「退院した○○さんの水液が残っています」なんてスタッフが見つけてくれ、慌てることになります。
4 持参のROM・フィルム渡し忘れ
私が以前勤めていた病院では、持参のROMやフィルムは入院中お預かりをして、退院時に返却をすることになっていました。
専用の棚に置いてあるのですが、退院時に確認が抜けて、渡しそびれてしまうことがありました。
5 事務さんからの書類渡し忘れ
退院時は、事務系の書類を渡すことが多いです。また、転院する時は自宅に退院する時よりも書類の数が多くなります。
退院の日時はしっかりと決まっているので、ナースもそれに合わせて準備を整えていきます。しかし、別の受け持ち患者さんにイレギュラーなことが起こり、そちらの対応に追われていたりすると、退院患者さんの書類の渡し忘れが起こってしまうことがあります。
退院時の時には、事務さんに書類は全て揃っているのかを確認するのが確実かもしれません。
6 ベッド周囲の荷物忘れ
入院中の患者さんのベッド周囲には、私物が沢山置かれています。退院時には患者さん自身で荷物をまとめてもらい、その後にナースが忘れ物していないか最終確認をしてから退院することになります。
ナースもしっかりとベッド周りを確認したつもりでも、ベッドの下にスリッパが残っていたり、携帯の充電器がコンセントに刺さったままであったりすることがよくあります。
この間なんかは、ガチャガチャ(中身が入ったままのもの)が床頭台に置いてあるのを発見しました。すでに患者さんは退院をしてしまった後だったので、本人の携帯に電話をかけてガチャガチャの忘れ物の件を伝えました。
しかし、本人からは、「あれは欲しいキャラじゃなかったので置いて帰りました。捨てるものです。」と言われました。
こんなふうに、後々無駄な時間を費やしてしまうことにもなるので、退院時、本人がいる時に、置いてあるものの確認をしっかりとすることが重要です。
まとめ
時々、病院内を猛ダッシュしているナースを見かけることがありますよね。
もしかすると、退院時に患者さんに忘れ物を渡すために必死に探しているときかもしれません。本来ならば病院内をダッシュすることは安全面から禁止なのですが…(苦笑)
ナースの皆さんは、院内を猛ダッシュしないように、しっかりと退院時チェックリストに沿ってやり残しがないように徹底していきましょう。
退院時のチェックリストに沿って確認していけば、スムーズに抜けがなく退院させることができると思います。
また、退院に関しては他職種としっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。コミュニケーションを取ることで今回のような渡し忘れを防げることもあると思いますので、今まで以上に声をかけあっていきましょう。
ちなみに私は、ベッド周りの忘れ物が続いたとき、自分が忘れ物がないか見終わった後に、さらに助手さんに確認をお願いしていた時期がありました・・・。